第3回 食品加工開拓研究会講演会開催しました
令和3年3月2日(火)食品加工開拓研究会がオンライン講演会を開催し、会員や学生を含めた非会員など10名が参加しました。
まず始めに、鹿児島機能性食品研究会会長 武昭一先生により桜島大根に関する動向が紹介されました。血管改善作用のあるトリゴネンの含有量が大きいことが鹿児島大学の加治屋勝子先生により報告されたことを契機として、臨床試験が開始され、鹿児島大学医学部の協力を得て大規模な試験が始まったことが示された。食品加工について、急速凍結により年間を通じて桜島大根を使えるようになり、切り干しや漬物に加えた加工法として確立したことが示された。
続いて、鹿児島女子短期大学木戸めぐみ先生より、クロマグロ、ブリ、カンパチなど養殖魚の頭部に含有されるDHAやEPAが多く含まれることと、骨の含有量が多いことから骨成分の供給源として魅力があることが示された。さらに、サトウキビ酢は黒酢には含まれないマンニトールが含まれること、抗酸化能が高いことが紹介された。
最後に、鹿児島大学工学部化学工学プログラム二井晋先生より、液体を超音波で微細なミストにする、超音波霧化という技術が紹介され、液体を低温で霧化することで、芳香成分を熱で変性させることなく濃縮できること、また、だしに含まれる成分で揮発しないが熱変性するものを濃縮する際に、低温で水分を取り除けることが利点であることが示された。
講演内容は、食材、とくに鹿児島県産のものの高付加価値化に関するものであり、参加者にとっては身近なものであり興味ある講演会となりました。
▷桜島大根に関する動向について紹介する武昭一先生
▷養殖魚の頭部、サトウキビ酢の研究について紹介する木戸めぐみ先生
2021年3月3日